めしだのComedy日記

脱サラし、自称コメディアンとなった”Meshida"が英語でスタンドアップコメディーに挑み、社会的弱者からの成り上がりを目指し、奮闘する日々を綴った日記

ウーマンラッシュアワーの漫才から風刺について考える

ちょっと前、The Manzaiでのウーマンラッシュアワーの風刺ネタが話題となり賛否両論を巻き起こしました。ウーマンラッシュアワーのネタは、テンポ抜群のリズムにのせて、ストレートに正論系のまじめなツッコミをかますという風刺スタイルで、見ていてすっきりする気持ちのいい漫才であったと思います。今、テレビなどのマスメディアに漂う、はっきりと物申せない雰囲気の中、ゴールデンタイムのネタ番組であのような風刺ネタをやるのはすごいなーと感心しました。

今回の風刺漫才を見て、もっともっと日本でも権力を風刺する文化が栄えればいいのになーと思っている今日この頃なのですが、

日本人の中で風刺というと、今回のウーマンラッシュアワーのネタのようにストレートに物申すという、まじめな風刺が浸透している気がします。またお笑いで「風刺」というと一歩距離を置いて、構えてしまう感じがあります。

私めしだは、英語でスタンダップコメディーをやっているので、アメリカ、イギリスのスタンダップコメディアンのコメディーショウを見て勉強しているのですが、彼らが行う風刺はもっとふざけていて、ボケながら風刺をかましています。そして、コメディアン自身の社会的立場から、自由に、世の中をふざけて皮肉っています。日本でも権力に対してのふざけた風刺があたり前になればいいなと思う気持ちから、今回は自分のお気に入りのアメリカ、イギリスのコメディアンの風刺ネタを紹介したいと思います。

 

<スタンダップコメディアンの風刺ネタ>

 

(1)Michelle Wolf (アメリカ コメディアン)

https://www.youtube.com/watch?v=cbJB1TDg8lo

 

<背景>

アメリカ大統領選挙中、トランプとヒラリーが討論で争う中、

ヒラリーの服装から彼女のE-mail問題を皮肉る。

 

<ジョーク>

Why are her jackets so big?

なんで彼女のジャケットはあんなでかいんだ?

If any male mandate dresses like her, we would be like,

もし男の候補者があんなジェケット着てたら

Why are you dressing like Kim Jong-Un?

なんで金正恩みたいな格好してんだって突っ込まれるだろ?

Be a shape

ちゃんとしろよ

Why are your jackets so big?

なんでそんな大きめのジャケット着てるんだ?

Why are you hiding under there?

なんでジェケットの中を隠すんだ?

Is that where all of your emails are?

Eメールでも隠してるのかな?

 

<解説>

ヒラリーが国務長官時代に、本来機密のE-mailを私用サーバーで扱っていた問題を彼女がいつも着ている大きめのジャケットから皮肉っている。ストレートに「Emailをプラベートアカウントで使うな!」と風刺するのではなく、彼女のジャケットが大きいというふざけたツッコミどころからE-mail問題を皮肉っている。

 

(2)Daily news Treaver noa(南アフリカ コメディアン)

https://www.youtube.com/watch?v=YOfhjDDJUPM

 

<背景>

トランプ大統領が初めて日本に訪れる際に、日本の立場からトランプを皮肉ったジョーク

<ジョーク>

Once again they have to deal with an out of control monster with tiny hands.

再び、日本はコントロールできない短い手のモンスターを処理しなければならない。。。

<解説>

日本にとってトランプはゴジラだと例える。ゴジラというのは核の問題から出現したモンスターだというところも踏まえた上でこのジョークを分析すると、ふざけているようですごく深い。実際トランプの手が短くて、吠えてる風貌もどこかゴジラに似ている。

 

(3)Sarah Holocaust(アメリカ ユダヤ系コメディアン)

https://www.youtube.com/watch?v=y6E9sJ6B-u8

 

<背景>

ホロコーストについて、姪との日常会話から皮肉る

 

<ジョーク>

My niece said

姪が言った

Sara did you know that Hitler killed 60million Jews.

おばちゃん知ってた?ヒトラーは6,000万人のユダヤ人を殺したんだよ。

I corrected her and said

もちろん私は彼女に言った。

I think He is response for killing 6 million Jews.

違うよ、ヒトラーは600万人のユダヤ人を殺したんだよ。

And she said Oh Yes six million I knew that

そうだった600万人だった。

but Seriously what the difference?

ただそんなに違うかな?

The difference is 60 million is unforgivable.

6,000万人が許されないでしょ。(600万人は許される)

 

<解説>

「600万人は許される」というのでなく「6,000万人は許されない」と表現してるところに、ジョークのパンチラインは直接的に言わないというスタンダップコメディーの美学を感じる。このジョークで、ホロコーストに対する反省のなさを指摘し、現在のユダヤ人に対する人々の態度を皮肉っている。

 

Youtube:早稲田大学スタンダップコメディー研究会

テーマ:ウーマンラッシュアワーの漫才から風刺について考える

www.youtube.com