めしだのComedy日記

脱サラし、自称コメディアンとなった”Meshida"が英語でスタンドアップコメディーに挑み、社会的弱者からの成り上がりを目指し、奮闘する日々を綴った日記

日本人が海外で笑いを取るための心得

私めしだは、イギリスの皮肉な笑いが大好きなので、イギリスにコメディー修行に行くことを決意した訳ですが、イギリス人(海外の人)を笑わせる為には、日本人としてどのようなジョークをぶち上げるべきかを研究中な訳でございます。今回、渡英前に純ジャパでありながらエディンバラ大学で経済学の教授となり、コメディーにも精通しているめしだの師匠K教授にアドバイスを頂くことにしました。

 K教授:

イギリスでスタンドアップをやるのであれば、まず最近BBCラジオで新人賞を取ったYuriko Kotaniさんのネタを見て、彼女がどのように日本人というナショナリティーを活かしているか、研究するべきです。

BBCラジオで新人賞を取った彼女のネタがこれです

https://www.youtube.com/watch?v=WTG2amHSkXI

Hello everyone! It’s great to be here!

(みなさんどうも!よろしくお願いします)

So I’m from Japan

(私は日本からはるばるやってきました)

Have you ever got anyone from Japan tonight?

(この中に日本から来たって人がいたら手を上げてください)反応なし

Because all the Japanese are still at work.

(そうですね。日本人はまだ会社で働いてます)

So I’ve been live in this country for 11 years.

(今年でイギリスにきて、11年になります)

11 years now and I really love living this country, very much so.

(11年です。私、本当にこの国が好きなんです)

But sometime things frustrate me and let me share with you.

(だけど、時々イライラすることなんかもあります)

The other day, I was on the train.

(ある日電車に乗ってたら)

And a poster caught my eye and it said.

(たまたま見つけたポスターがドヤって言ってるわけです)

“93,12persent of all London over ground train is run within 5minutes of their schedule time between 28th of June 2015 to 20 July 2015.

(2015年6月28日から7月20日までの期間、なんと93%のロンドン電鉄の電車は予定時間の5分以内のスケジュールで運行しています!)

Is this confession?

(これは懺悔なのでしょうか?)

And said we are improving journey London over ground.

(さらに彼らは、“我々の成長は止まらない”と謳っていました)

Are there apologizing?

(彼らは謝罪しているのでしょうか?)

Because I thought trains are suppose to be running within 0 minutes of their schedule on time.

(だって普通、電車というのは時間通りに走るものでしょう)

In Japan trains are on time, like proper on time, on time.

(日本では電車はすべて時間通りにきます)

So that morning, I was very tired.

(だけど、ある朝、めちゃくちゃ疲れてて)

Even though, it wasn’t rush hour,.

(まぁー通勤ラッシュの時間ではなかったんだけど)

I couldn’t stop myself and I said to the poster out loud

(自分を抑えきれず、ポスターに向かって言いました)

“I forgive you”

(許してあげる)

Because as I said earlier, I really love living in this country.

(だって、さっきも言ったけど、この国での生活を愛しているから)

Because people more laid back relax people back home.

(イギリス人の生活は余裕があってとても素敵だと思う)

And there is one word, one beautiful English word, I love.

(大好きな言葉がある、この言葉が大好き)

We don’t have this word in Japanese.

(日本にこの言葉はもちろんありません)

It is “Ish”

(それは“Ish”です)※Ishとは日本語でいうと「~くらい」という意味

So I decided to bring this “Ish” concept back home.

(それでこの“Ish”コンセプトを日本でも使ってみたの)

So the last time, when I visited my family.

(この前、日本に帰って家族に会った時)

I told my mom “Let’s meet up at 1 ish.

(お母さんに言ってみた。1時“Ish”で会おう)

Because we don’t have this word.

(もちろん日本にはこの言葉がないので)

I said to her “Let’ meet up in between 1:05 to 1:25”

(「それじゃー1時5分~1時25分の間に待ち合わせしよう」と言ったの)

I saw her eyes with confusion.

(母は完全に「こいつは大丈夫か?」って感じの目で見つめてきた)

I believe that this “Ish” concept began long time ago and It’s in people’s blood.

(この“Ish”の文化は何年も前からイギリスにあって、脈々と受けつがれているのだと私は信じている)

That’s why people called British”

(なぜならば、イギリス人はBrit”ISH”と呼ばれているから)

 

K教授による解説:

まず「日本人の働き過ぎ」というのを0:11 ~0:23 の約10秒(!)で演って、二回笑いを取っている。説明なし、ただパンチラインで「イギリス人にとっての日本人のイメージ」を上手く使っている。

次の「日本人は時間に厳格」ネタはもっと手が込んでいて 0:33 ~1:12 の40秒の間にこれも2つパンチラインをかまして(視点は違うものの日本人ステレオタイプの使い方は最初の「働き過ぎ」とほぼ同じ)、その後に1:18 から「日本人の厳格さ」について説明し(←説明が後に来るというのが重要。逆なら効果が半減)その説明のしかたで小さい笑いを取っておいて(説明は大して面白くない)、1:51 のパンチライン。

最初の2分弱で、かなりの素材を詰め込んでいるのが分かるはず。こっちは、こういうテンポです。彼女のネタ、本当にありきたりの日本人ステレオタイプしか使っていないので(逆に説明が短いのでそれ以上の「日本人像」は使えない)、それだけでどこまで行けるか、めしだ氏にも是非じっくり研究して欲しいと思います。

欧米ではハッキリ言ってもう「日本」にはあまり興味が無いです。それはオリンピックが来ても変わらないと思う。でも彼女のように「日本人から世界は(中国は、アメリカは、イギリスは、フランスは)どう見えるか」というのは十分これからも生きる視点なので、その辺も意識すると良いと思います。イギリスでアイルランドのコメディアンが活躍しているのはそういう「外から視点」が使えるというのが大きいです。

 

★めしだ的まとめ★

日本人が海外で笑いを取るための心得

①海外の人々が持つ、日本人のイメージを上手く使う

②日本人の視点から、世界を語る(厚切りジェイソン的な感じ)

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